意外と知らない数の子のエピソードをご紹介します。どうして数の子って言うの? 数の子はにしんの卵を塩漬けにしたもの。数の子の親であるにしんには、頭が角ばったいわしのような姿をしていることから、「カドイワシ」と呼ばれたそうです。「カドの子(カドノコ)」が、いつのまにか「数の子(カズノコ)」となったという説が有力です。数の子はいつ頃できたの? 江戸時代から、数の子はにしん同様、北海道の名産品として知られていました。しかし、当時の数の子は天日で乾燥させた「干し数の子」。 私たちが通常数の子と呼んでいる塩数の子が誕生したのは明治30年代と言われています。どうして、おせちの定番なの? 徳川八代将軍・吉宗が、数の子を多産の縁起物としておせち料理に加えたと伝えられます。 将軍は、正月だけはお金持ちの人も貧しい人も同じものを食べて祝ってほしいと願い、当時は値段も手頃だった「数の子」と、「大豆」「ゴマメ(カタクチイワシ)」をおせち料理に選んだそうです。数の子はどうやって作るの? にしんのおなかから取り出した卵は、きれいに洗われて塩水に3~5日間漬けられます。その後、表面の汚れなどを取り除き、塩水に漬けられ、塩水で洗いという作業を繰り返し、最後に24時間かけて塩で固めます。 これらのプロセスの途中に、各工場だけの昔ながらの「秘伝の技」が活かされ、北海道ならではのおいしい数の子が生まれるのです。数の子には、どんな栄養があるの? 数の子は、他の水産物に比べて、生活習慣病の予防に有効とされるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)がとくに多く含まれています。 また、老化防止や生殖機能に働きかけるビタミンEもたっぷり。 数の子が子孫繁栄の象徴と呼ばれてきたのもうなずけますね。数の子の栄養成分(生・100g中)カロリー 162kcal水 分66.1gナトリウム320mgたんぱく質25.2g鉄1.2mg脂 質6.7gビタミンB10.15mg糖 質0.2gビタミンB20.22mgカルシウム50mgビタミンE5.1mg科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」より