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北海道水産物加工協同組合連合会
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数の子の故郷
数の子のルーツを探検してみましょう。

  北海道沿岸のにしん漁は昭和30年代を最後に途絶え、現在では石狩湾、厚岸湖、風蓮湖などの一部でしか獲られていません。ましてや加工向けの原料ニにしんとなると、まったく漁獲されていない状態です。
  みなさんの食卓を飾る数の子の原料は、子持ちにしん(抱卵にしん)や、現地で前処理された原料数の子の形などで輸入されています。
ここでは、世界を舞台としたにしんや数の子のルーツをたどってみましょう。
春を告げるアラスカのにしん漁
 春、アラスカ沿岸には大量のにしんが来遊してきます。アラスカ漁業狩猟局では、にしんの群とともに移動してくるトドなどの動きを見たり、ヘリコプターを飛ばして偵察したり、テストフイッシングを繰り返して資源状況を把握し、大きな群れの到来を待ちます。
  いよいよ漁獲の可能な群がやってきました。漁業狩猟局から、解禁のアナウンスが行われます。この日を待っていた漁業者たちは、アナウンスと同時に一斉に網を入れるのです。
  良い群れの位置確認のため、上空には漁業狩猟局の他にも多くのヘリコプターが飛び交い、狭い海域にたくさんの漁船がひしめき合います。その様子は、さながら戦場のようです。
  漁獲方法は、セインと呼ばれる巻き網漁法やギルネットと呼ばれる刺し網漁法が使われます。写真は、巻き網漁法での漁獲風景で、ラッシュアワーのようですね。日本のように何月から何月までが漁期というのではなく、たかだか30分、1時間程度で一気に何万トンものにしんが獲れてしまうのですからすごいですよね。
世界のにしん漁場
  さまざまな漁場で獲られたにしんのうち、カナダやアラスカ産の太平洋にしんから取られた数の子は主として塩蔵加工されて塩数の子に、スコットランドやシェットランド産の原料は塩数の子と味付け数の子に、そしてカナダ東海岸の原料は味付け数の子の原料として使われます。
  アラスカの他にも世界にはにしん漁が行われている場所がたくさんあります。大きく分けると太平洋の沿岸地域で漁獲される「太平洋にしん」と、大西洋沿岸地域で漁獲される「大西洋にしん」に分かれます。「太平洋にしん」の漁は、12月のアメリカ・サンフランシスコ沖の漁を皮切りに、3月にはカナダのバンクーバー沖、アラスカの州都ジュノーの近海へ、4月にはアラスカのブリストル湾へと北上していきます。
  一方、カナダの東海岸沖やヨーロッパ海域で漁獲される「大西洋にしん」は、8~9月にイギリスのスコットランド沖やシェットランド諸島周辺で漁獲される夏にしんと、11月~12月にドーバー海峡で漁獲される冬にしん、そしてノルウェーやアイスランド近海で獲れるものもあります。
  いずれの漁場も各国の政府機関によって厳重な管理が行われており、世界のにしん資源は良好な状況にあると言われています。
 写真で見てもわかるように、フィヨルドなどで深い入り江となったところなど、狭い海域ににしんは産卵のため回遊してきます。北海道が、昔、にしんの大豊漁で沸いたとき、浜にはにしんが産んだ数の子が打ち上げられ、海面はにしんの白子で真っ白になりましたが、カナダやアラスカなどの海岸では同じような光景が今でも毎年見られるのです。
 
アムステルダムはにしんの骨の上にできた町?
   にしんは、ヨーロッパの人々にとっては重要な魚のひとつ。オランダやノルウェーなどヨーロッパを旅したことがある人は、にしんがピクルスや燻製となって食卓に登場する機会が多いことをご存知ですよね。「オランダの首都、アムステルダムはにしんの骨の上に横たえられている」と言われるくらい、各国に大きな影響を与えているのです。また、ノルウェーのフィヨルド観光の基地ベルゲンは、にしんのおかげで、北欧で最も裕福な都市になったことが過去4回もあったそうです。
 
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